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ウェストバージニア州の食べ物には、地理的条件から、アパラチア地方の伝統食が色濃く反映しています。“Mountain State” のニックネームを持っているだけに、ハンティングが盛んで肉料理が豊富です。
その一方で、山から湧き出る清水の湖や川などに生息する淡水魚を求めて、フィッシングも盛んで、メインディッシュの食材を提供しています。また特産の果物には誰もが知っている名前の物があったり。
ウェストバージニア州の食べ物が主体のフェスティバルは各地で賑わい、コミュニティ文化を高めています。さて、どんな食べ物があるのか見ていきましょう。
ウェストバージニア州で人気の食べ物
肉類全般
Baked Steak and Gravy
ステーキに小麦粉をまぶし、バターソテーで表面に焼き色を付けた後、オーブンに入れて仕上げます。これにリッチなグレービーソースをたっぷりかけて出すのですが、お供にフライドポテトと焼き立てのコーンブレッドを添えるのが定番。
Pot Roast Melt
ウェストバージニア州のコンフォート料理の1つに、ポットローストメルトがあります。時間をかけてローストした豚肉を引き裂いて、チーズやトマトに玉ねぎなどを組み合わせて、グリルしたサワド―パンに挟んで食べるのです。
Rainbow Trout
ウェストバージニア州というと、陸地に囲まれているので、新鮮な魚が手に入るの?と思われがちですが、山から流れ出る清水の小川や湖はニジマスの宝庫。州で数年前に始まった「ゴールドラッシュ」というイベントが人気を博しています。
春になると、州政府が何万匹というゴールデン・レインボートラウトを川や湖に放ち、その中でタグの付いたものを釣り上げると、釣りのライセンスが無料になったり、ホテル宿泊券やギフトカードといった景品がもらえるのです。
Venison Stew
ウェストバージニア州に早くから住みついた人々は、山で狩りをし、川で魚を釣って、生活をしていました。鹿肉を使った料理にシチューがありますが、ともすれば肉が硬くなりがちなので、長時間かけて低温調理することがおすすめ。
Wild Game
上記のベニスンを始め、ウェストバージニア州では野生動物の狩りが盛んです。バイソンやエルク、オジロジカにキジに、ターキーやイノシシなど広範囲に渡り、特にこれらの野生肉を調理してジェームズビアード賞を取ったシェフもいます。
野菜類
Molly Moochers (Morels)
一般的にアミガサダケの名前で知られているマッシュルームは、入手困難なことから高い値段が付いています。ウェストバージニア州でも収穫されるのは、毎年数週間のみで、山のどのあたりに出てくるかを探るには経験が必要。
Ramps and Fried Potatoes
ランプは、ウェストバージニア州に多く生息するネギ科の植物で、野生のリークとか春玉ねぎと呼ばれることもあります。このニンニクと玉ねぎが混ざったような味のランプは、ポテトと一緒に炒めることが多く、肉食の人はハムやベーコンを加えて調理します。
果物類
Apple Dumpling
りんごが豊富なウェストバージニア州では、林檎を使ったデザートも幅広くあります。中でもアップルダンプリングは人気があり、りんごを丸ごと生地で包んでオーブンで焼き上げるのです。
林檎の皮をむいて芯を取った中にバターや砂糖と一緒にドライフルーツを仕込んでいて、温かいまま食べても、室温でも冷やしても美味。アイスクリームと一緒に食べると、もうメインディッシュ。
Golden Delicious Apples
ゴールデンディリシャスは日本でもよく名の知れた、どこにでもあるリンゴ。でも、生まれはウェストバージニア州だったのです。1912年に、クレイ群のポーター・クリーク近くの丘で発見されて、近年になってから州の指定果物になりました。
りんごの種類に関しては別ページで詳しく解説していますが、ゴールデンディリシャスを元にしたハイブリッド林檎も数多く作られています。毎年秋の収穫時の9月には、クレイ群でゴールデンデリシャス・フェスティバルが行われます。
Greenbrier Peaches
ウェストバージニア州が誇る、高級志向のリゾート地が、グリーンブライアー。ロイヤルファミリーから大統領、その他セレブが訪れると聞きます。ここでバニラ味のホイップクリームと一緒に出される桃は最高との噂。
Pawpaw
アメリカでポーポーの名で知られる果物は、北米の約半数の州で育っていて、ウェストバージニア州もその1つ。見た目はややマンゴ。皮は黄色がかった緑で、味はバナナっぽい。
8月中旬から9月にかけて成熟するフルーツで、生で食べることができ、甘いカスタードのような風味なので、パイや菓子パン、アイスクリーム作りなどによく用いられます。
Strawberries
バックハノン地域のイチゴ栽培家が、収穫した苺を売るために1936年に始めた、“West Virginia Strawberry Festival” は、今日では多くの農家に引き継がれ、毎年大抵5月の第3週目に開催され、苺オークションや苺の甘さコンテストなどで1週間盛り上がります。
粉物
Buckwheat Pancakes
アパラチア地方の朝食の主食である、そば粉パンケーキは、バターやシロップの他、特産のアップルソースやジャムなどをかけて食べるのも良し。これに地元で作ったソーセージを付けると、ウェストバージニア州の定番料理。
Mountaineer Biscuit
ウェストバージニア州チャールストンで起こしたチェーン店の、“Tudor’s Biscuit World” のビスケット。詰め物やトッピングの組合せがバラエティー豊かで、タイトルのバージョンは、カントリーハムとカリッとしたポテトケーキに卵とチーズで仕上げています。
現在はハンティングトンに本拠を置き、オハイオ州やケンタッキー州にフロリダ州へと販路を広げました。ユニークな組み合わせのビスケット・サンドイッチには、地元で人気のスポーツチームの名前を付けるなど、ローカルファンの取り込みにも熱心。
ファストフード
Fried Fish Sandwich
ホイ―リング歴史地区のセンターマーケットにある、“Coleman’s Fish Market” で1914年から提供しているフライドフィッシュ・サンドイッチは、ベスト・フィッシュサンドと言われつつも、何かが欠けている。
それはタルタルソース。ここで出されるフィッシュサンドは、シンプルな白い食パンに揚げた魚を挟んだだけの物。タルタルのないフィッシュサンドイッチなんて、というフレーズが出てきそうですが、ローカルには絶賛されている食べ物なのです。
Grape & Gorgonzola Pizza
ウェストバージニア州でユニークなピザを出しているのは、“Pies & Pints”。極薄のクラストに、赤いブドウを半分に切って散らし、ゴルゴンゾーラチーズと新鮮なローズマリーを散らして焼いたピザパイ。これにビールがあれば完璧!
Pepperoni Rolls
ウェストバージニア州に来たイタリア移民が作ったとされる、ペパロニロール。当時地下の奥深くで働いていた炭鉱夫が、腐りにくい食べ物をランチに持っていく必要があって生まれた物。今では州指定の食べ物になりました。
West Virginia Slaw Dogs
ウェストバージニア州の伝統的なホットドッグと言えばこれ。軟らかいパンにウィンナーソーセージを挟んでチリソースをかけ、コールスローとオニオンをたっぷり載せた食べ物。店によっては、30cm異常の特大サイズを用意している所も。
コンボフード
Beans & Cornbread
アパラチア地方の定番料理とも言える組み合わせ。家庭でもスキレットで簡単に作れるコーンブレッドと、長時間かけてゆっくり煮込んだうずら豆のスープのコンボは、南部の州では伝統的。
Biscuits & Gravy
ビスケットとグレービーの組合せは、アメリカ南部の州では朝食の定番。軟らかい生地で作ったビスケットに、通常豚肉ソーセージの脂を使って作るグレービーソースをたっぷりかけた食べ物は、ミリタリーでも欠かせないメニューの1つ。
その他
Apple Butter
ウェストバージニア州のバークレー・スプリングスでは、毎年コロンバスデーの週末に、アップルバター・フェスティバルが行われます。ストリートには特産の林檎を使って作るアップルバターの香りがあふれ、ベーキングコンテストその他のイベントで、街はお祭り気分。
Black Walnuts
ブラックウォルナッツもウェストバージニア州の特産の1つで、スペンサー市では毎年10月にブラックウォルナッツ・フェスティバルがあり、食べ物にフォーカスする以外にも、小さい子供も参加できる、“5K Nut Run” というマラソンイベントもあったりします。
Honey
ウェストバージニア州のパーカーズバーグでは、毎年8月の第4週目の週末に、ハニーフェスティバルが行われます。これは、市民に蜂と蜂蜜の大切さを教育する目的で始められたもので、蜂蜜の他、アート&クラフトのお店もたくさん並んで、家族で楽しめるイベント。
Maple Syrup
メープルシロップは、遡ること、ネイティブアメリカンや初期の移住者の間で伝統的に作られてきました。ウェストバージニア州のピケンズでは、毎年3月の第3土曜にメープルシロップ・フェスティバルがあり、この時期に作られたシロップが長期保存されます。
Molasses
1920年代から、ウェストバージニア州のアーノルズバーグでは、収穫したサトウキビからモラッセズを作ってきました。毎年9月の最後の週になると、モラッセズ・フェスティバルが行われ、来訪者は伝統的な技法を用いた製造過程を観ることができます。
ウェストバージニア州で有名な飲み物
West Virginia Margarita
人気のカクテル、マルガリータは、基本テキーラとクァントローとライムジュースで作られますが、ウェストバージニア州でミックスされるマルガリータが微妙に違うのは、ローカルの “Honey Mead” が繊細な甘さを加えているところにあります。
West Virginia Moonshine
ムーンシャインは、フィールドコーンを蒸留して、ほとんど寝かせることなく作られるお酒で、コーン・リキュールとかホワイト・ウィスキーと呼ばれたり、いろんな俗語が生まれています。
ウェストバージニア州には名だたる蒸留所があり、アルコール度がかなり高い物も作っています。フレーバーも豊富で、上記のポーポーを使ったり、西瓜や桃、各種ベリーや、林檎の甘さを生かしたものまで様々。
ウェストバージニア州の食べ物で人気の高い有名なものを解説しました。りんごのゴールデン・ディリシャスって、ウェストバージニア州生まれだったんですね。
それにしても、この州にはフェスティバルの多いことにびっくりしました。まだまだ探すとありますが、長くなるので一部を紹介しただけです。義理の親戚がいるので、今度行くときは、何かの祭典に合わせて訪ねてみたいです。
狩りに釣りに作物の収穫まで、ウェストバージニア州の食べ物を追ってみましたが、興味を持っていただけたら幸いです。