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ワシントン州の食べ物と言えば、太平洋に面していて多くの入り江に囲まれているため、新鮮なシーフードに恵まれ、夏にはチェリーや各種ベリー類が豊富で、りんごの種類に至っては、全てを把握できないほどです。
また、ワシントン州で生まれた人気のスナック類を始め、お土産にしたいチョコレート菓子やキャンディー・メーカーも、ロングヒットの有名商品を取りそろえています。
飲み物に関しては、世界に名の知れたスターバックスの生誕地であり、他のコーヒー店も競い合っています。ワイナリーが多いことでも知られるワシントン州の食べ物についてまとめてみたので、是非参考になさってください♪
ワシントン州で有名な食べ物
シーフード類
Dungeness Crab
ワシントン州北部のオリンピック半島沿いに広がるダンジネス湾から名前が付いているカニ。シーズン中は、近くの食料品店で、茹でた状態の物を一尾15ドルくらいで買えるので、一週間に2回食べたりすることもあります。
冷凍物はもっと安くで買えますが、塩味が濃いので、やはりフレッシュなものが一番! レストランに行くと、レモンオイルなどに漬けて食べるようになっていますが、我が家ではそのままムシャムシャ。蟹の身そのものを味わうのが最高♪
ボートを持っている人は、カニを収穫できる許可証を手に入れると、生の蟹を釣り上げて、規定内の大きさや数量を守れば持ち帰れます。ただし、メスは狩猟禁止なので、網に引っかかっても海に戻さないといけません。
Geoduck
地元シアトルでは、ミルガイの通称で知られているグイダック。スペルからはわかりにくい発音ですね。西海岸特産の貝はちょっとグロテスクな形ながら、寿司店で重宝する具材。それを流行らせたのは、かの有名なシローさん。
半世紀以上前にシアトルに移民して開いた寿司店の常連客にはイチローがいます。一度は引退したものの、また店舗を変えて再開。松茸と一緒にソテーするグイダックが人気のメニュー。
かたや、数々のユニークなレストランを開発するのが得意な、Ethan Stowell 氏のメニューでは、薄切りにしたグイダックとラディッシュやフェンネルと一緒に和えたクルード・スタイルがポピュラー。
Mussels & Clams
ムール貝や貝類の酒蒸しやワイン蒸しは、お馴染みの料理ですが、やはり食材がものを言います。ワシントン州北部に位置するウィッドビー島のペン湾で獲れるムール貝は格別。
シャロットやセロリにガーリック、バター、白ワインで作る、“a la mariniere”(ア・ラ・マリニエール)が鉄鍋で調理されてテーブルに持ってこられ、蓋を開けたときの香りは最高!
Oysters
ワシントン州のピュジェット湾沿いは牡蠣の宝庫。フッド運河にあるカキ養殖場では、“Hama Hama” オイスターを育てていて、甘くてきりっとした風味が特徴。新鮮な牡蠣が豊富なので、カキの殻に載せた生ガキを、レストラン独自の漬け汁で食べるのが一番♪
ダウンタウンのあちこちにはオイスターバーが点在していて、オイスター・シューター以外にも、ベイクド・オイスターやフライド・オイスター、またオイスターシチューなど、バラエティー豊かな牡蠣料理を楽しめます。
Razor Clams
名前の通り、この二枚貝の殻は薄長くて大きく、端がかなりシャープになっているので、指を切らないように気を付けないといけません。ワシントン州では大体4月末から5月にかけてが収穫時期。
一般的な食べ方としては、衣をつけて揚げたり、クラムチャウダーのように、ベーコンやポテト、フェンネルやリークなどと一緒に、厚切にした身と貝汁も加えて、クリーミーなスープを楽しむこともできます。
Salmon
好みや予算によって、ワシントン州のスーパーでは数種類のサーモンから選べます。王御所の “King Salmon” を始め、赤身の濃い “Sockeye Salmon” や、味で勝負の “Copper River Salmon” など。
シアトルで有名なレストラン起業家の Tom Douglas 氏が一番初めに出店したシーフードレストラン、“Etta’s” では、”Rub with Love” サーモンという名で、燻製パプリカやブラウンシュガーやタイムをこすりつけて焼いた、“Coho Salmon” が人気メニュー。
家庭でレストラン的な鮭料理を味わいたいときには、杉の板に、甘い蜂蜜とバルサミコ酢のグレーズでマリネしたサーモンを真空パックしたものを買ってきて、家のオーブンで焼くのがおすすめ。これはネイティブアメリカンスタイルの調理法。
Spot Prawns
スポットシュリンプは、太平洋の北はアラスカ州から南はカリフォルニア州のサンディエゴまで収穫される海老。頭が大きいので、調理の際はそれを生かしたメニューが人気。
シアトルには日本人シェフで有名になった人も多く、「寿司割烹田村」の北村シェフは、サンホアン諸島で獲れた甘味のあるしっかりした身の海老を、竹籠で蒸して頭と蟹味噌をつけたまま、上品に提供しています。
野菜果物類
Apples
ワシントン州はアメリカ全体の6割くらいの林檎を生産していると言われています。しかもその種類が豊富で、最近開発された銘柄では、ハニークリスプが人気ですが、りんごの種類については別ベージで詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。
Cherries
日本にいる時は、サクランボは高価な果物で、飾り程度にしか食べていませんでしたが、ワシントン州に住み始めてからは、シーズンになると1キロくらい買ってきて、毎日おやつに食べるか、パイを作ったりして心置きなく食べています。
色が濃く大きめの粒のビングチェリーも甘くておいしいのですが、ワシントン州立大学が二種類のチェリーを交配して産み出したレーニアチェリーの味は最高です♪ もちろん州のシンボルであるレーニア山から名前が付きました。
Huckleberries
生のハックルベリーはなかなか手に入りにくいのですが、ワシントン州では夏の間行われるファーマーズマーケットに行くと見つかります。専門店や空港ではジャムが販売されています。
Raspberries
レッド・ラズベリーの生産では、ワシントン州が国をリードしています。育てやすいので、自宅の庭で栽培している人が多いです。いろんな種類があって、夏以外にも初秋に収穫できるものもあります。またシーズン中はゴールデン・ラズベリーも売っています。
Walla Walla Onions
ワシントン州には面白い地名があるものです。地域の名前が付いたワラワラ・オニオンは、州指定の野菜となっていて、その甘味が特徴ですが、どちらかというと、他の品種の玉ねぎに比べて硫黄分が少ないことから、苦味を感じにくいためです。
従って、切っているときに涙することも少なくて済むのはいいですね。私の一番好きな食べ方は、オニオンリングにして揚げること。ファストフード店に行くと、つい注文してしまう食べ物です(^^♪
乳製品
Beecher’s Mac & Cheese
シアトルのウォーターフロント近くにある、超有名なパイクプレイスマーケットに店ができたのは2003年。以来、“World’s Best”を誇るこの食べ物は、普通のマカロニチーズとは一線を画しています。というのも、マカロニは使われていないのです。
ビーチャーズの看板チーズとジャックチーズを使って作るのですが、相棒のパスタはマカロニではなくペンパスタ。それが歯ごたえよく、スパイスも効いていて、スーパーでも冷凍で買えますが、サイトに行くとレシピも載っているので、自宅でも作れますよ。
Evaporated Milk
エバミルクは、今では誰もが知っていてどこでも買えますが、かつて戦時中に長期保存に耐え栄養を支える貴重な食べ物となったのは、1899年にワシントン州ケントにあった駆け出しの乳製品会社が開発し、後に、“Carnation” として知られるようなったのでした。
パン類
Crab Roll
クラブロールというと、どちらかと言えば東海岸由来の食べ物ですが、ワシントン州のダンジネスクラブを使ったクラブロールはまた格別。レストランでは、ニューイングランドスタイルを始め、コネティカットスタイルやメインスタイルも提供したり、工夫を凝らしています。
Morel on Toast
モレル(アミガサタケ)は人工栽培が難しいので、自然の収穫に頼るしかありません。その結果高価なマッシュルームの1つになっています。肥沃な土壌に生息するので、栄養価が高く、抗酸化物質やミネラルが豊富な食べ物です。
“Sitka & Spruce” に行くと、モレルを少しのクリームとニンニクやシャロットと一緒にソテーし、焼いたサワド―パンの上に載せ、卵黄を垂らして出してくれます。シーズンによっては、シャンテレルに置き換えることも。
ファストフード
Dick’s Burgers
ワシントン州のファストフードを語るとき、忘れてはいけないのが、この歴史あるディックス・バーガー。“Dick’s Drive-In” として知られるバーガー店がシアトルに第一号店を開いたのは、1954年のこと。
看板メニューの、“Dick’s Deluxe” が人気を博し、次々に店舗を広げ、チェーン店化しました。今では数々のバーガー・チェーンができていますが、昔懐かしい看板を掲げたディックス・バーガーの人気は衰えることがありません。
Fish & Chips
新鮮な魚がいつでも手に入るワシントン州には、美味しいフィッシュ&チップスの店が各所にあります。一番有名なのは、“Ivar’s” でしょうが、“Spud Fish & Chips” もおすすめ。
Seattle Hot Dog
シアトル特有のホットドッグは、1980年代にパイオニア・スクウェアの辺りから出始めたと言われています。普通のホットドッグと大きく違うのは、プレッツェルパンを使うこと。ソーセージにクリームチーズと焼いた玉ねぎを詰めて出てきます。
初めはカートやバーで売られていたものが次第に定着した人気を呼び、2000年代に入って、地元マリナーズの野球チームが勝っていた頃は、試合観戦には欠かせない食べ物の1つになっていました。
スナック類
Cinnabon
シナボンは、今では本部がアトランタに移ったものの、生まれたのはワシントン州のフェデラルウェイ。1985年にエドモンズのベーカーが編み出したシナモンロールが大ヒット! アメリカのみならず、世界に店舗を広げました。
Dutch Babies
ダッチ・ベイビーを初めて食べたのは、主人のお母様宅。アメリカ人の主人の先祖はアイリッシュとジャーマンの血が入っていると聞いていたので、当時はドイツ系のレシピなんだろうと思っていました。
でもそれが何と、ワシントン州シアトル発と聞いてビックリ! 何でも1903年、ダウンタウンに “Manca’s Cafe” という店を開いた Victor Manca さんの手によるものだったのです。もちろん原型はあります。
ドイツのパンケーキ “Pfannkuchen” に似ており、イギリスの “Yorkshire pudding” にも中身が似ているのですが、こちらはポップオーバーのように個別に焼く食べ物。
普通のパンケーキなら、レンジの上でフライパンに生地を広げて焼きますが、このダッチ・ベイビーは鉄のフライパン全体に生地を流し込み、オーブンで焼きます。焼きあがり次第、粉糖を振るったり蜜をかけていただきます。
なお、通常パンケーキの生地には膨らし粉を入れて焼きますが、このスタイルには入っていません。単独でスナックに食べてもいいし、フルーツと一緒に皿に盛れば、週末の素敵な朝食に♪
Tim’s Cascade Potato Chips
1986年に Tim Kennedy が始めたときは、少量を良質の油で揚げることを売りにしていたのですが、後にオーナーが変わり、今では大量生産型に。それでも、各種フレーバーを提供して、ローカルで根強い人気。
デザート
Honey Lavender Ice Cream
ワシントン州のスクイムにはラベンダーファームがあります。エドモンズにはラベンダーを扱った専門店もあり、食べ物にもよく使われる素材です。中でもハニーラベンダーを使ったアイスクリームはほんのり紫色をして食欲をそそります♪
Rainer Cherry Pie
ワシントン州特産のレーニアチェリーは、ダークチェリーに比べて糖度が高いので、“nature’s candy”とも呼ばれています。普通パイ作りに使うチェリーは、小粒のサワーチェリーが多いのですが、レーニア種を使うと砂糖の量が少なくて済みます。
ワシントン州で買いたいお土産
Almond Roca
チョコレートコーティングしたハード・トフィーキャンディーに荒削りのアーモンド粉をまぶした食べ物で、ワシントン州を代表するお菓子の1つです。タコマ市に本部を置く、“Brown & Haley” 社が1912年から作り始めました。
その後どんどんフレーバーが増え、今ではオリジナル以外に、cashew, dark chocolate, macadamia nut, milk chocolate, mocha, peppermint, sea salt caramel などのバラエティーが楽しめます。
Applets & Cotlets
セントラルワシントンのカシミアで生まれたお菓子で、1918年にリンゴ農家が編み出したとされています。ゼリー状のキャンディーの中に胡桃とドライフルーツが入って、粉糖をまぶしており、果物は林檎と杏を使っているので、この名前が付きました。
アルメニアの移民が子どもの頃に食べた、“Turkish Delight” というお菓子を思い起こして、最初にアップレッツを作り、後にコットレッツもでき、1962年に行われたシアトル万博でブレイクしたそうです。でも今は下火になりました。
Chocolates
シアトルは珈琲の街として知られていますが、ローカルのチョコレート工場も多く、各地で製造工程が見られるツアーも盛んです。中でも有名どころを挙げておくと、まず、アメリカで最初にオーガニックでフェアトレードを売り物にした、“Theo Chocolate”。
都市の名前を冠した、“Seattle Chocolate” や、イサクアの観光名所、ギルマン・ビレッジにある、“Boehm’s” も根強い人気。一方、品質随一を誇る高級志向の、“Fran’s Chocolate”。ここのチョコレート塩キャラメルは最高。ちょっと気の張るお土産が必要な時にお勧めのブランド。
クリスマス時分になると、モールのフロアにうずたかく積まれるのは、定番のギフトボックスに入った “Frango” 。昔シアトルにあった、“Frederick & Nelson” というデパートが1918年に作りだしたブランドでしたが、今ではシカゴの会社に吸収されました。
Market Spice Tea
シアトルの観光名所、パイクプレイスマーケットのブランド紅茶。名物のフレーバーは、シナモン・オレンジですが、アサイ・ブルーベリーやアップル・シナモンなどもあり、紅茶以外にも、看板のシナモンオレンジスパイスを生かしたクッキーもあります。
Sea Salt
太平洋に面しミネラル豊富な海水を存分に使用できるワシントン州では、海塩の生産も盛ん。サンホワン島で天干し製法で作るシーソルトは、オリジナル以外にも、スモーキーなフレーバーから、照り焼き風味やカレー味、ポップコーン味など、想像外のユニークなテイストも。
Smoked Salmon
新鮮な鮭に恵まれているワシントン州では、燻製にしたサーモンや、サーモンジャーキーも各種あり。アナコルテスにある、“SeaBear Smokehouse” のスモークサーモンは、土産物屋に行くと必ずある商品。地元民でサケ釣りをする人は、店に行って自らの鮭を燻製にしてもらうことも可。
ワシントン州で人気の飲み物
ノンアルコール類
Coffee
シアトルでコーヒーのことを語らずには終われません。1971年開業のスターバックス一号店は、いつも満杯。一度本社を案内してもらったことがありますが、社員が気付いたことを書き込むボードがあり、常に改良を目指している様子が伺えました。
ちなみに、スタバの看板メニューであるフラプチーノは、1994年に、マサチューセッツ州のチェーン店、“the Coffee Connection” から権利を買って販売したものらしく、後に大ヒットとなりました。
他にもローカルで名高い珈琲ブランドはいろいろあります。1980年代にコーヒーカートから始めた “Espresso Vivace” の “Cafe Nico” は、雨がほとんどのシアトルでも行列に入って待つ客がいる、隠れた人気の飲み物。
シアトル大学地区に1975年にできた、地元でも最も古いエスプレッソバーの、“Cafe Allegro” や、ドイツ製の機械でローストする、“Caffe Vita” など、スーパーでコーヒー豆を選ぶときも迷ってしまうくらいあります。
Cold-Pressed Blueberry Juice
子どもが小さい頃、ブルーベリーの U-pick に行った想い出があります。ワシントン州では、普通の家庭でも栽培できるる果物ですが、オーガニックのエアルーム・ブルーベリーをコールドプレスで絞り込んだジュースは特別で、カクテルに混ぜると、濃い紫色が生えます。
ワイン
Charles Smith Wines
21世紀に入ってから本格的にワインの製造を始めた遅まきのワインメーカーですが、何度かワイン製造で受賞しており、ユニークなネーミングとラベルが目立つワインを作っています。
Chateau Ste. Michelle Wines
ウッディンビルにある、ワシントン州で最も大きく有名なワイナリー。辛口から甘口、単独で飲むデザートワインに至るまであらゆるジャンルのワインを取りそろえて、テイスティングルームもあり、夏場にはミュージックコンサートまである名所。
ワシントン州はアメリカ合衆国の中でも、カリフォルニア州に次いで2番目にワインメーカーが多い所で、大小合わせると数百ものワイナリーがあります。スターバックスが生まれたコーヒー文化の街であることも周知の事実です。
食べ物では、何と言ってもシーフードの宝庫。地元民で釣りをする人も多く、新鮮な魚介類を満喫できます。果物の栽培も盛んで、りんごの種類は数限りなくあり、夏のファーマーズマーケットでは、農家直売のチェリーやベリーを楽しめます。
ワシントン州には人気の高いチョコレートやキャンディーメーカーも数多くあるのですが、最近では日本でほとんどの物が輸入されて売っているので、頻繁に帰国する者にとっては、お土産選びに困ることが多くなりました。