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バニラビーンズの使い方を知って、洋菓子作りの幅を広げましょう。
それにしても、どうしてあんなに高いのでしょうね?
バニラビーンズはどのようにして収穫され、製品になるのか、まずその辺りから考察して、賢い選び方も知ってから、使い方に触れていきたいと思います。
その他のバニラ製品、例えばバニラエッセンスや、オイル、ペーストやパウダーなどの違いについては、別のページで解説していますので、参考になさってください。
バニラビーンズはなぜ高いの?
バニラビーンズと、私たちは呼んでいますが、専門家に言わせると、正しくは
“vanilla seeds”だそうです。ちなみに外側は、“vanilla pod”になります。
ここでは一般的な呼び方のバニラビーンズにしておきますが、売っている瓶の容器の外側に、よく花の絵が印刷されていることがあります。それを見るとわかるのですが、バニラは蘭科の蔦から採れるんですね。
メキシコとか中央アメリカの熱帯雨林地域に生息していて、収穫されるとすぐに熱湯につけて成長を止め、その後日なたに2~3週間干して、キュアリングの工程が完成するまでには6~9か月もかかるのだそうです。
それだけ手がかかっているから、高いわけです。
バニラビーンズの一番人気というか、品質の高いものはメキシコ産ですが、全体のほぼ4分の3の生産量を誇るのはマダガスカル産です。
鞘入りバニラの選び方
バニラビーンズを使うためには、種が入っているバニラポッドを買ってこなくてはいけませんが、普通は瓶に入って売っているので、手で触って確かめるわけにはいきません。
でも、外から見てもわかる範囲内で言うと、やはり、ふっくらしているものがより新鮮です。時間の経過とともにしなびてくるので、乾燥して鞘も短くなっているものは避けた方がいいです。
だから買い物のコツとしては、できるだけ大きい有名なお店に行くと、品物の回転が早いので、いつ仕入れたのかわからないような古い物に当たる危険を、ある程度避けることができます。
尚、時々バニラの鞘に白っぽい粉のような物が付いていることがありますが、これはキュアリングの過程で、バニラの香りと風味の元になる「バニリン」が生成されるときにできる結晶なので、カビではないから心配いりません。
バニラビーンズの使い方
バニラビーンズの性質がわかった上で、いざ使うときには、どのようにすれば有効に活用できるのか、説明していきます。
<バニラシードの取り出し方>
バニラの鞘を買ってきたら、まな板の上に置き、片方の手でしっかりのばして押さえます。小さい瓶入りだと、二つ折りになっていると思いますが、この時点でのばしたときに壊れそうなら、すでにかなり古くなっている証拠です。
もう片方の手に果物ナイフを持ち、鞘の端から、中央部分に縦に切り目を入れていきます。平たく広げたら、ナイフの背の方を使って、中の種をこそげ落としていきます。
<バニラビーンズの最適な使い方>
レシピによって使い方の指示は様々ですが、バニラの香りと風味を最大限に生かすのは、こそげ落とした中の種も、外側の鞘も両方鍋に入れて、液体やクリームと一緒に煮こむことです。
バニラポッドに残ったエキスと、目に見えるバニラビーンズの粒々が、バニラ風味を最高に醸し出してくれます。
たとえば、加熱したミルクやクリームに、バニラの種とサヤを一緒に入れて、30分か小一時間置きます。
バニラポッドはそのまま鍋に残しますが、(これを食べる人はいませんよね?)この粒入りミルクをコーヒーに注げば、風味豊かなバニラ珈琲を楽しめます。
鍋に残った鞘ですが、軽く洗って、別のスープを作るときに一緒に煮こむと、二度使えます。
<バニラビーンズの使い方いろいろ>
【バニラエッセンスを作る】
ホームメイドのバニラエッセンスを作ることができます。
細長い密封容器(バニラポッドを入れやすいもの)を用意して、縦に切り目を入れたバニラの鞘を入れます。そこに特に味のついてないウォッカを注ぎます。
もし鞘が長すぎる場合は小さく切って入れ、サヤが全て浸かるまでアルコールを入れて蓋をし、液体の色が茶色くなってくるまで、2~3か月冷暗所で保存します。
【バニラシュガーを作る】
洋菓子のレシピを見ていると、たまにバニラシュガーを要求することがあるんですね。でも、今からお菓子を作ろうとしているときに、すでに手元になければ間に合いません。
ですので、余裕をもってというか、バニラビーンズがセールで売っているときとか、あるいは、せっかく買ってきたけど、瓶を開けてみたら古くてあまりいいものではなかったときなどにおすすめの方法です。
バニラシードの取り出し方で説明したように、ポッドから種をこそぎ落とし、鞘と共に、約2カップの砂糖に混ぜます。これを密封容器の中に入れて蓋をし、最低1週間は置きます。
そうすると、砂糖にバニラの香りが移って、バニラシュガーの出来上がりです。新しいバニラビーンズの方が、より風味を楽しめますが、先ほどバニラエッセンスを作るときに使った鞘を再利用する手もあります。
その際は、鞘を完全に乾かしてから使ってください。
【メープルシロップの味付け】
メープルシロップにも、基本のフレーバーに加えて、少しベリー系の風味を加えたものも売られています。バニラビーンズを使えば、バニラ味ができます。
バニラシュガーを作る考えと似ていますが、メープルシロップの瓶に、バニラビーンズを入れて1週間ほど置いておくと、香りが付いてきます。
もし、シロップ全体に味をつけてしまいたくないとき、又は、バニラビーンズが半分だけ残っているときとかには、少量のメープルと鞘を鍋に入れ、少し加熱して弱火で10分ほど煮ると、いい風味が出ます。
泊まり客があって、翌朝パンケーキやワッフルなどの朝食を出すときには、即席でできる、もってこいのバニラフレーバーのメープルシロップが出せます。
【フルーツのポーチに使う】
洋梨のワイン煮とかありますね。砂糖水だけでポーチするときとかに、バニラ
ビーンズを入れて煮ると、いい香りが出ます。
ポーチ液に浸けてもいいし、もっと果物に風味をつけたいときには、小さく切
った鞘ごと、果物に突き刺して煮込むといいです。
いかがでしたか?
バニラビーンズの使い方は、食べ物以外にもいろいろありますが、このサイトは料理のまとめなので、ボディオイルやスクラブといったものへの使い方は、省きました。
バニラフレーバーが少し加わることで、全体の風味が深くなり、美味しさが増します。寝かせる時間はかかるものの、手間はあまりかからないので、是非いろいろ試してみてくださいね。