世界にあるお菓子の種類って、一体どれくらいあるのでしょうね。太古の昔、
人々は生命を維持していくためだけに食べていたわけだから、今のような贅沢
品は考えられなかったはずです。
そう思うと、人間って際限なくどん欲になっていくものだと実感します。私も
アメリカで生活し始めて30年以上になりますが、その間、実に様々なお菓子
を作ってきました。
それでもなお、次々に出るクッキングブックや雑誌に載る写真を見ると、まだ
作ってない世界のお菓子の種類に気づき、新レシピ挑戦への更なる意欲がわき
ます。食べるのは和菓子も好きですが、作る方は洋菓子専門です。
そもそも、「お菓子」という日本語には独自の響きがあります。英語の「デザ
ート」にもなれば、「スナック」の意味も含むので、単に「スイーツ」では
表現しきれなくて、直訳は難しいです。
ですので、このカテゴリーでも、広範囲にとらえた世界のお菓子の種類を探っ
ていきたいと思います。
さて、私は家でお菓子を作ると、よく職場や友人知人の集まりに持っていき
ますが、自宅でお茶会をして、新作を披露することもたまにあります。
日本のホテルでも、アフタヌーンティーを提供するところがあると思いますが、
それのプライベート版ですね。もちろん本家本元はイギリス。
この国で体験したことはないのですが、世界にはイギリス領の名残があるので、
例えばカナダのビクトリアに行くと、食器からティールームの家具まで、全て
英国調で固めた本格的なアフタヌーンティーが楽しめるところがあります。
ギフトショップでは英国紅茶やティーグッズなども売っているので、お土産も
買って帰ることができます。このあたりの詳しいことは、各ページで説明して
います。
紅茶が絡んでくると、イギリスが本場ということになりますが、お菓子の種類
では、やはりフランスが群を抜いているのではないでしょうか。デザートの
名前にもフランス語がついているものが圧倒的に多いですね。
中には、フランスが発祥の地ではあるけれど、日本に来てもっと有名になり、
大ブレイクしたお菓子もあります。例えば、モンブランは私も大好きで、友人
にもファンが多いですが、フランスではさほど人気はないと聞きます。
マカロンがどの程度現地でもてはやされているのか知りませんが、日本では
専門店もあちこちにあり、アメリカのベーカリーでも、かなりバラエティーに
とんだ種類のフレーバーが見られるようになりました。
マドレーヌやフィナンシェもよく作るし、夏だとババロワやブラマンジェも
作ります。カヌレは作ったことがありませんが、食べるのは大好きです。少し
食感が日本のもちケーキに似ているせいでしょうか。
イタリアのお菓子と言えば、真っ先に思い浮かぶのはティラミス。これまでに
もいろんな種類を作ってきました。中には抹茶版もあります。私はイタリアン
レストランに行くと必ずこれを注文して、その店の腕を見ることにしています。
ドイツのお菓子では、ほとんどの方がバウムクーヘンを思いつくでしょう。
これはさすがに手間がかかるのでまだ作ったことはありません。でも、ダーク
チェリーを洋酒に浸けたブラックフォレストケーキは作ったことがあります。
その昔、木箱に入ったザッハトルテを初めてもらったときは感動したものです。
オーストリアの首都ウィーン発祥のチョコレートケーキですが、今では私も
作れます。リンツァートルテもたまに作ります。
スイスはチョコレート菓子が有名ですね。アメリカにはチョコレート愛好家が
半端なくいるので、カリフォルニア州に拠点を持つ有名な会社もありますが、
地元ワシントン州にもかなり品質の高いチョコレート専門店があります。
バレンタインの時期には贈答品にもよく使われますが、スイスのお菓子と錯覚
するものが日本にはあります。スイスロールと言われるロールケーキは、元に
なる似た物があるにせよ、日本の食パン会社が命名して独り歩きした感があり
ます。
こうして見てくると、やはりヨーロッパのお菓子の種類が豊富なことがわかり
ます。誰もがこのお菓子はどこの国から来たかすぐにわかるものもあれば、
マイナーだけど味わい深いものもあります。
アメリカの地域には、北欧の人々が多く住んでいる所や、ロシア系の方たちが
多い居住区もあり、そういう場所には、やはりその国の食材を扱う専門店が
できるので、ときどき足を運ぶと面白いお菓子が見つかります。
世界の国の違った文化の中で生まれてきたお菓子には、それぞれ特徴があり、
クリスマスケーキにしても、特にフランスやベルギーの物は、木の切り株を
イメージしているので、普通の円形とは全然形が違います。
特に寒い冬のシーズンによく出回るお菓子は、長持ちさせるためと、お酒で
少し体を温めるためか、ラム酒やブランデーなどのアルコールに浸けた物が
多く登場します。私の大好物です。
世界の国々には本当にいろんな種類のお菓子があり、製菓専門の職人が腕を
競い合うコンテストもありますが、日本のパティシェもめきめき腕を上げて、
洋菓子界でも認められるようになり、とてもうれしく思っています。