シナモンの種類あれこれ。ニッキとの違いも含めて解説。

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シナモン

 

シナモンの種類は1つだけだと思われていましたか?

実は私も、スパイスの棚を見てシナモンを買うときには、値段の違いだけで選んでいました。でも、今では種類が異なることがわかり、もう少し詳しく瓶の名前を見るようにしています。

 

あと、アメリカでは耳にしませんが、日本では、あの有名な京都の八つ橋にも入っている、「ニッキ」と呼ばれるものもありますね。これも大きく分ければシナモンの種類になるので、その辺りの違いも見ていきます。

種類の分け方としては、形状によるものと、木の種類や部位、また産地によるものとがあるので、2通りの視点から説明します。

シナモンの種類

<形状による分け方>

 

【シナモンスティック】”cinnamon stick”

シナモンは、熱帯地方の常緑樹の皮をはいで作られます。厚い樹皮をはぎ取り、約10cm長さに切り分けてから数時間発酵させます。そして皮の外側を削り取り、中の皮を残して更に乾燥させたものが、シナモンスティックになります。

 

シナモンスティック

 

このまま食べるのではなく、スープやミルクに入れて、その味や香りを十分煮出したものをいただきます。

スティックの状態であれば、密封状態で乾燥したところに置いている限り、半永久的に使用できます。

 

【シナモンパウダー】”cinnamon powder”

通常、お料理やお菓子作りに使うのは、パウダー状の物の方が多いと思います。上記のシナモンスティックを削って粉にしたものが、シナモンパウダーです。

 

シナモンパウダー

 

一旦粉になると、一般的には約1年が賞味期限だと言われています。ただ、味や風味の違いが如実に出るのは、火を通さない冷たいお菓子。例えば、ライスプディングやアップルソースに振りかけて食べる場合の話です。

シナモンの有用成分の中でも、最も香りを放つ役目のシンナムアルデヒドは、摂氏60度くらいで分解されてしまうので、焼き菓子に使用する場合には、よほど鼻と舌が敏感な方以外は、あまり差は分からないと思います。

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<木の種類・部位・産地による分け方>

 

【カシアシナモン】”cassia cinnamon”

アメリカで消費されるシナモンのほとんどはこの種類になります。色は濃く、赤茶色をしており、少し苦味のある甘さを醸し出しています。

この種類に属するシナモンの木は、生産量の多さで並べると、インドネシア、中国、べトナムの順になります。特に輸入量の多いインドネシア産と、ベトナム産をもう少し詳しく見ていきましょう。

 

インドネシア産は、世界でも一番生産量が多く、そのせいか格安で手に入ります。10年以下の比較的若い木から採取され、揮発量は重量の約2%から3%を占めます。

Indonesian cinnamon

アメリカで売られているシナモンで、特にスパイスの瓶に産地を特定していない場合は、インドネシア産と考えていいでしょう。

中国産のシナモンも10年以下のやや若い木から採りますが、アメリカに入ってくるものは、そのほとんどが精油になっています。

 

ベトナム産のものは、瓶に、「サイゴンシナモン」と書いているはずです。輸入シナモンの中では一番値段が高いのですが、その理由は、20~25年物の木から採取し、揮発油の割合も4.5%から5%強になっているからです。

saigon cinnamon

 

それだけ風味を強く感じることができるので、高くなるわけですね。

vietnamese cinnamon

 

同じカシア系の種類でも、木のどの部分の皮を採取するかによって、味の深みが違ってきます。幹の根元に近いところがベストだと言われています。中ほどから先へ向かうにつれて、品質は落ちていきます。

 

【セイロンシナモン】”ceylon cinnamon”

スリランカのセイロン原産のシナモンで、値段的には、サイゴンシナモンとインドネシアシナモンの間くらいですが、採取する木の年代は、3、4年と一番若く、揮発量の割合も2%未満なので、マイルドな味わいになります。

ceylon cinnamon

普通、世間一般で使われている「シナモン」という言葉は、このセイロンシナモンのことを指します。色合いも薄茶色で、カシアシナモンほどスパイシーではないので、幅広くどんなものにでも合うということですね。

 

【ニッキ】

ニッキは日本産の肉桂の根っこから採取されるものです。シナモンにハッカ系の辛さが加わった味で、のど飴や八つ橋に入っていますね。この木は樹齢が長く30年物になるので、生産量も少なく、八つ橋が高価な理由がわかります。

ニッキはシナモンよりも辛味が強いので、私は個人的には苦手なのですが、高級和菓子の八つ橋だけは食べられます♪

 

さて、シナモンの種類を、形から見る場合と、使用する木から見て、その部位や産地によってグループ分けしてきましたが、違いがお分かりいただけたでしょうか?

 

私はシナモンパウダーをコーヒーやラテといったドリンクや、オートミールに振りかけたりしていただくことはしませんが、パイ、ケーキ、クッキーなどの洋菓子作りにはよく使います。

これからは、店頭でシナモンスパイスを選ぶときには、産地の記載があるかよく見て、内容を考えてから、自分に合うものを買いたいですね。